飼い主だけに見せるビビり猫の魅力
開け放った窓から宅配業者のトラックの音が聞こえる。
キキキッー。
どうやら隣の家へ配達に来たようだ。
するとさっきまで部屋の真ん中で無防備に寝転んでいた
わが家の愛猫2匹があたふたとソファの下へ駆け込む。
「うちじゃないのに…」と小さなため息をつきながら、
「大丈夫だよ」と声をかけるも、大きな目を見開いたまま、うずくまって動かない。
2匹もいればどちらかフレンドリーな猫になるのではないかと思ったけど、
それは期待外れに終わった。
わが家の愛猫は両親やきょうだいが来ても全く顔を出さない、
まさに”幻の猫”と化した。
この愛らしい姿を誰にも見せられず、本当に残念。
だって、わが家の猫たちは、
廊下をものすごいスピードで駆け抜ける姿はアスリートのようだし、
突然の物音に逆毛を立てながら飛び跳ねる姿はダンサーのようだし、
窓の外の鳥に向かってカカカと威嚇する姿はオペラ歌手のようだし、
ごはんをぺろりと平らげる姿は大食い選手権の出場者のようだし、
洗面台に乗ろうとしてずるっとすべる姿はコメディアンのようだし、
尻尾をピンと立てて歩く姿は一流モデルのようだし、
段ボールの隙間から覗く姿は映画に出てくるスナイパーのようだし、
相棒相手にポカスカとパンチを繰り出す姿は世界最強のボクサーのようだし、
少し首をかしげながらこちらを見る姿は現役のアイドルのようだし、
フードのある場所まで私をいざなう姿はまるでSPじゃないか。
こんなにいろいろな姿を見せてくれる猫たちなのに、
その姿が見られるのは飼い主の私だけ。
たとえ、”幻の猫”であっても、それだけで私は充分なのである。
ようやくソファの下から出てきた猫たち。
さすがにちょっと暑かったのか、並んで廊下にゴロンと寝転んだ。
君たちがこの先もずっと安心して暮らせるように、
私はこれからも君たちを守るし、そのために頑張るよ!
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