無事に乗り越えた“2匹目のハードル”

我が家には今年8歳になる猫がいる。
人の年齢に換算すると48歳くらいだろうか。
ここ最近は以前にも増してよく寝るようになった。
朝ごはんを食べたら、お気に入りの出窓のベッドで
陽射しを浴びながらウトウトし、
陽が傾いてくるとストーブの前に陣取って
ぽかぽかと暖気を独り占めして眠りにつく。

そんなある日、我が家に小さな猫がやってきた。
これまでは家族はもちろん、
家の中のすべてが自分のテリトリーだった愛猫は
突然現れた子猫の存在に驚き、戸惑っている。
そして、小さな子猫に向かって、これまで聞いたことのないような
唸り声をあげて威嚇したのだ。

ああ、これが“2匹目のハードル”か。
くじけそうな心をグッと堪え、しばらくの間
距離を置いて2匹の様子をうかがうことにした。

すると、お互いの存在が気になるのか、次第に距離を縮めていく2匹。
同じ部屋にいることにも慣れてきたころ、
子猫をケージから出してみると意外や意外。
最初はあんなに戸惑っていた愛猫が、
子猫の匂いを嗅ぎはじめ、しまいには鼻を突き合わせた。
その後も無邪気に遊ぶ子猫を相手に家じゅうを駆け回る。
上に下に、時には物陰から奇襲を仕掛けるなど、
さながら大運動会のようなはしゃぎようだ。

2匹目の猫を迎え入れることに悩んだ日もあったけど、
こうして2匹がじゃれ合い、寄り添って寝ている姿を見ると
この判断は間違いじゃなかったのかなと思う。
我が家の“2匹目のハードル”は、
先住猫のおおらかな性格に救われた。
これから先、ますます我が家は楽しくなりそうだ。